特別養護老人ホームは、要介護度の高い方でも終身に渡り利用できる施設となっており、長期入所を考えている方にとって魅力があります。
しかし、長期入所を考えた時に不安材料になる点は、夜間の介護・看護体制ではないでしょうか?
今回は、特別養護老人ホームの夜間対応がどのようになっているのかご紹介していきましょう。
介護は24時間体制が基本
そもそも、特別養護老人ホームへの入居は要介護度3以上の方が優先されることから、手厚い介護が必要とされます。
特別養護老人ホームの介護スタッフは、入居者3人に対し1人を配置するように義務付けられています。
日中の日常生活支援はもちろん、食事介助・リハビリ・レクリエーションなどはスタッフも多く、利用者に合わせて細かい介護を行ってくれるでしょう。
介護は24時間体制なので、夜間の介護が不安という方でも安心できます。
ただ、夜間は日中よりも介護スタッフの人数が少なくなることも知っておかなければなりません。
厚生労働省が定めた夜間の配置基準によれば、特別養護老人ホームの場合は利用者25人につき1人以上配置することが記載されています。
また、介護老人保健施設は利用者20人につき1人以上、グループホームは利用者9人につき1人以上というように、施設のよって配置基準が異なります。
実際はこの配置基準以上に介護スタッフを配置しているところが多いですが、その老人ホームによって体制は異なるため、事前に確認する必要があるでしょう。
夜間の介護スタッフ配置基準
介護施設種別 | 利用者/スタッフ |
---|---|
特別養護老人ホーム | 利用者25人につき1人以上 |
介護保険施設 | 利用者20人につき1人以上 |
グループホーム | 利用者9人につき1人以上 |
看護師の夜間配置は義務付けされていない?
介護は24時間体制になっているので利用者にとっては安心ですが、特別養護老人ホームでは医療体制が不十分なケースもあります。
というのも、特別養護老人ホームは看護師の夜間常駐が義務付けされていません。
日中は看護師が常駐していても、夜間にはいない施設も珍しくないのです。
しかし、利用者の中には痰吸引・胃ろう・褥瘡などの医療処置やケアが必要な方もいるでしょう。
夜間は介護スタッフが行うケースもありますが、看護師が不在となると利用者も不安に感じてしまいます。
ただ、最近では医療ケアを向上させるために夜間でも利用者が安心して過ごせるような体制に見直されつつあるのです。
中には、夜間でも看護師が常駐している施設もあるため、夜間対応を踏まえてしっかり検討することをおすすめします。
特別養護老人ホームの夜間の介護体制・医療体制は、厚生労働省により配置基準が定められているものの、実際は施設によって配置人数も異なっています。
より安心して過ごすためには、24時間体制の介護はもちろん、医療体制も充実した老人ホームを選択する必要があるでしょう。