特別養護老人ホームを利用できる方は、65歳以上で介護度3以上の高齢者に限られているため、自分でお金の管理をするのが難しいという方も多いです。
その場合、入居者に代わって家族が老人ホームに必要なお金の管理や手続きを行うことになるのですが、どのような知識が必要となるのでしょうか?
今回は、特養入居で知っておくべきお金の制度についてご紹介します。
貯金や保険をチェックしておく
老人ホーム入居にあたって必要なお金の制度に触れる前に、まずは入居している家族が利用している貯金や保険を確認しておきましょう。
介護度が高くなるにつれて判断能力は低下していくので、どの口座に貯金があるのか本人に聞けなくなってしまいます。
特に、特別養護老人ホームから病院へ移る際には入院のためにまとまった金額が必要になりますが、あらかじめ貯金を把握しておけばいざという時に焦らずに済みます。
また、入居者が医療保険に加入している場合は入院時に保険金が受け取れるため、保険金が無駄にならないように手続きの準備をしておきましょう。
通常は医療保険を契約している本人のみが受け取る仕組みになっていますが、状況に応じて家族が受け取れるように契約できます。
医療費控除制度を知っておく
医療費控除とは、1年間にかかった医療費がある一定の金額を超えた場合に税金が安くなる制度で、特別養護老人ホームでの費用が控除対象になります。
控除の対象になるのは、特別養護老人ホームでの訪問治療費や処方される薬の料金、介護サービスに対して支払った費用の2分の1の金額などが挙げられます。
また、体が不自由で、特別養護老人ホームから外部の病院へタクシーを使って通院する場合にかかる交通費や医療費、薬の料金も医療費控除の対象です。
控除が受けられる条件は、年収が200万円未満の方で、医療費の自己負担額が5%を超える場合になります。
年収が200万円以上の場合は、自己負担額が10万円を超えた部分が医療費控除となります。
医療費控除を受けるためには確定申告が必要になりますが、その際に医療費の領収書が必要となるため必ず保管しておきましょう。
特別養護老人ホームの入居者は、自分でお金の管理や手続きができない方も多いため、貯金額や医療保険の状態を把握することが大切です。
老人ホームでの介護サービス費用や病院での医療費を無駄にしないためにも、医療費控除の仕組みを理解して損をしないように準備しておきましょう。