老人ホームでは利用者が安全に過ごせるような環境づくりを心がけています。
しかし、場合によっては事故が発生してしまうこともあるのです。
老人ホームではどのような事故が起きやすく、どんな原因が考えられるのでしょう?
今回は、事故の原因と対策方法についてご紹介していきます。
転倒や転落事故
老人ホームでの事故で最も頻度が高いとされているのは、転倒や転落事故です。
例えば施設内を歩いていた人が滑って転んでしまったり、
ベッドで寝ている最中に落ちてしまい転落したなどの事故が見られます。
これらの事故が発生しないように、老人ホームでもあらかじめ手すりなどを設け、
ベッドにも柵が取り付けられている介護用ベッドを用いるなどの対策を行なっていますが、
それでも事故は発生してしまっております。
事故の原因として考えられるのは、やはり自身の身体能力を過信してしまうといった点が挙げられるでしょう。
対策方法も難しく、介護スタッフによる呼びかけやサポートが重要と言えます。
入浴中に発生する事故
老人ホームでは入浴サービスを提供しているところもありますが、
この時浴室内が水に濡れていて滑りやすくなっていると転倒してしまう恐れがあります。
また入浴中の事故としては脱衣所とお風呂に入った時の急激な温度差によって
ヒートショックが起き、心筋梗塞・脳梗塞を発症してしまうケースや、
給湯器の故障によってお風呂の温度が通常よりも高くなっており、
老人ホームのスタッフが確認しないまま入浴介助を行なったところ
利用者が火傷をしてしまったケースもあるようです。
こうしたケースは機器の定期的なメンテナンスだけではなく、
事前にお湯の温度をチェックすることなども事故対策につながっていきます。
また、ヒートショックを防ぐためには脱衣所で寒さをあまり感じないように空調設定を行なったり、
転倒を防ぐためには滑り止めマットを敷いたりするなど、それぞれの事故に合わせた対策方法が必要です。
誤嚥
食事中に誤嚥を発生させてしまう可能性があります。
高齢者は嚥下能力が落ちてしまうと食道ではなく気管や肺に食べ物が入り込んでしまい、
窒息や肺炎を引き起こす可能性も高いので十分に注意しなければなりません。
事前に嚥下能力が落ちていることが判明している場合は老人ホームでも対応が可能で、
きざみ食やとろみ食など嚥下能力が落ちていても食べやすい食事が提供されます。
誤嚥を防ぐためには食事形態の変更だけでなく可能な限りサポートを行い、
もし誤嚥が発生してしまった時も素早い対応を心がけておく必要があります。
老人ホームでは様々な事故が発生しやすいですが、
各老人ホームではそのような事故が発生しないために対策にも取り組んでいます。
老人ホームを選ぶ際には、こうした安全に過ごせる環境づくりが行われているかどうかも確認してみましょう。