年齢を重ねると共に衰えてくる身体機能は、自力で動くことが困難と感じている高齢者も多いことでしょう。
そのような高齢者が老人ホームに入居となった場合、災害時にはどのように避難するのか心配に感じている人も多いかと思います。
ここでは、高齢者が多く入居する老人ホームの避難体制や、災害時の対応についてご紹介していきましょう。
BCP策定で安全を図る
老人ホームでは、「BCP(Business Continuity Plan = 事業継続計画)」と呼ばれる策定で安全が図られるようになっています。
老人ホーム内の事業者の1人が災害による被害を最小限に抑えるために、事業の復旧や継続を図るための計画がBCPです。
このBCPの策定に加えて、老人ホームでは年2回の避難訓練が義務付けられています。
そのため、多くの施設では避難する際の避難経路は確保しており、適切かつ安全に避難できるルートは用意できています。
ただ、夜間となるとスタッフの人数が減り、避難時には人手不足なのではないのか?と疑問に思うことでしょう。
施設によっては、地域住民の協力を借りて避難活動が行われている施設もあり、例えスタッフの人数が少ない場所だからと言って心配に思うことはないでしょう。
災害時の対応が気になる人は老人ホームの施設長に聞いてみるのも、良い老人ホームを選ぶのに必要なことだと言えます。
全国の老人ホームの多くは耐震化済み
介護施設には自力で逃げ出せる人が少ないため、耐震化は年々強化されています。
全国にある高齢者施設のうち約94%が耐震がなされているため、よほど大きな地震でない限り、逃げる必要性が少ない形になっているのです。
また、消火設備も整ってきており、自動火災報知機やベル、さらにはスプリンクラーが自動的に作動する施設も増えてきているので、いち早く消火できる体制になっています。
入居者が常日頃何かあった時に押すナースコールも、災害時には重要な役割を果たしてくれます。
どんな用事でもすぐにスタッフが駆け付けるので、火災が起きた場所からナースコールを押すことで甚大な被害になる前に食い止めることも可能です。
そして、大きな被害を出さないために消火器が施設内の至るところには配置されており、スタッフが扱えるようにも指導されています。
また、消防設備士により消防用設備は適度に点検されているので安心です。
老人ホームに入居後災害が起きてしまった場合は、様々な対策を行い被害が大きくなる前に食い止めていきます。
その時にはスタッフが入居者一人ひとりをきちんとケアしていくので、災害時の怪我やトラウマも最小限になるように努めているのです。
提携している病院や地域住民の力も借りて、全力で老人ホームの入居者を守っています。