老人ホームに入居する際、施設内の部屋はどのようになっているかという疑問が浮かびます。
個室か相部屋かにもよりますが、どのような設備があり、どのような構造で作られているのでしょう。
介護付き有料老人ホームと特別養護老人ホームの二つを例に挙げて、設備・構造について解説していきます。
設備基準
まず、介護保険基準で指定されている介護付き有料老人ホームの設備を確認してみましょう。
その中では、食堂・浴室・事務室・洗面設備・介護職員質・汚物処理室・医務室などを備えることが指定されています。
居室に関しては、下記の基準などが設けられています。
- 原則として個室
- 地階に設けない
- 一人当たりの床面積は13㎡以上
介護付き有料老人ホームの居室
以前は相部屋が主流でしたが、現在はプライバシーの確保のために個室の設備を整える施設が増えてきました。
居室の設備は、基本的にはトイレや洗面所のみです。
要介護者をメインにした老人ホームの場合はこういった最低限の設備を取り付けたワンルームタイプが主流となっています。
一方、ほぼ自立している入居者向けの老人ホームであれば、トイレ・お風呂・洗面台・キッチンなどが完備された、一般的なマンションと変わらないような部屋を持つ施設も存在します。
また、夫婦で入居するための広々としたスペースのある個室を用意する老人ホームもあります。
浴室においても、寝たきりの方でも入浴できる機械浴や、リフトを使った浴槽などを用意し、個別に入浴できる体制を整えているところが増えてきています。
特別養護老人ホームの居室
基本的に相部屋での入居が主です。
キッチンやトイレ、浴室などの生活設備もすべて共有であることが多く見られます。
そんな中、現在は全国の特別養護老人ホームにおいて「ユニット型個室」「ユニットケア」への移行が進められています。
10人程度のグループを一つの「ユニット」として扱い、ユニットごとに生活の場を分けるものです。
共用空間とつながる個室を用意し、プライベートの確保と入居者同士の交流を両立するために提案されたもので、元はスウェーデンの介護スタイルに由来しています。
ユニット型への移行など、ケアのための手法に変化が見られますが、「介護付き有料老人ホームなどでは基本的に個室」、「特別養護老人ホームなどでは相部屋」となっている形はまだ主流ではあります。
どちらにせよ、基本的な生活設備はしっかり整っているので、安心につながる入居が可能です。
老人ホームを選ぶ際には部屋の構造や設備についても理解した上で、検討してみましょう。