老人ホームには身体が不自由な高齢者が多く入居していますが、思わぬ事故に発展してしまう場合があります。
そんな中で、大きな事故には至らずに済んだヒヤリハットな事故は多く、老人ホーム側でも様々な対策を講じています。
今回は、ヒヤリハットを起こさないように、老人ホームではどんな対策を行っているのかご紹介していきましょう。
どんなヒヤリハットが多いのか?
老人ホームの施設内は安全面に配慮した作りになっているものの、完全に事故を防止できる環境にはなっていません。
そのため、様々なことで事故につながる可能性を持っています。
車椅子によるヒヤリハット
よくあるヒヤリハットには、車椅子が関わっているものが多いです。
通常、車椅子から立ち上がる際には車椅子にブレーキをかけなくてはならないのですが、ブレーキをかけ忘れることで立ち上がると同時に車椅子が移動してしまい、転倒を起こすリスクを生じさせます。
また、車椅子に乗った入居者の腕が車椅子のひじ掛けから落ちてしまった場合にも事故が起きる危険性が高いです。
腕がひじ掛けから落ちるとタイヤの横に腕が入り込んでしまうため、腕を怪我する場合があります。
ヒヤリハットとして起こってしまう場合には、車椅子の状態と座っている方の状態をよく確かめないことで、ヒヤリハットを生んでしまいます。
内服薬によるヒヤリハット・介助中のヒヤリハット
他にも、多くの入居者の内服薬管理がしきれずに間違って薬を飲ませてしまいそうになった事例や、他の入居者に気を取られて一瞬介助に集中できずにヒヤリハットになる事件も多いです。
忙しい現場となる老人ホームでは、多くの入居者の面倒を見なくてはいけません。
そのため、慣れで行っていることや注意散漫になってしまい、事故やヒヤリハットにつながってしまいます。
老人ホーム側が行っているヒヤリハット対策
老人ホームでは家族が安心して高齢者を預けられるように、事故を起こしてはいけません。
そのため、ヒヤリハットであろうとも危険性があるものには対策をしなくてはならないのです。
多くの老人ホームで行われている対策としては、ヒヤリハットの報告書を用意しリスクマネジメントを考えることが挙げられます。
ヒヤリハットの報告書で、いつ・どんなことが・どんな場所で起きたのか・どうして起きたのかが分かり、どうすれば改善できるのか話し合っていきます。
これにより施設の色んな場所や、介助にリスクマネジメントが取り入れられ、事故防止につながっていくのです。
高齢者を家族から託されて預かっている老人ホームでは、事故やヒヤリハットを起こさないようにあらゆる観点からリスクマネジメントを行っています。
老人ホームのスタッフも仕事に集中できるように勤務時間が考えられています。
適切な環境で安心できる生活が送れるよう、老人ホームのヒヤリハット対策は進んでいるのです。