現代では介護が必要な高齢者が増えていることから、介護を職業とする方が増えています。
老人ホームなどの介護施設では、女性の介護スタッフが多く働いていますが近年では男性の介護スタッフも増えつつあります。
しかし、実際に介護してもらう立場になった場合、特に女性は入浴やトイレなどの世話などの介助は同性にしてもらいたいという方が大半です。
ここでは、老人ホームで同性に介護してもらいたい人にとって、老人ホームの実情を含めた「同性介護」についてご紹介しましょう。
老人ホームなどの施設で行われる同性介護の問題点
一般的に、老人ホームなどの介護施設では女性利用者は女性介護スタッフ、男性利用者は男性介護スタッフが介護する
同性介護が原則です。
スタッフの数や状況などによって同性介護ができない場合もあります。
特に入浴やトイレの介助は、女性利用者が男性スタッフからの介助を嫌がるという場合が多いです。
この反対で、男性利用者は女性スタッフの介助への拒否反応は少ないと言います。
そのため、止むを得ず男性スタッフが女性利用者を担当することになった場合は、周りの女性スタッフに交代してもらうなど臨機応変な対応が必要だという意見もあります。
また、体重が比較的重い人や背が高い人などの介助、夜間や緊急時の対応などは安全面から考えて男性が行った方が安心でしょう。
施設側が工夫をして同性介護の問題を克服している
例えば、女性利用者の入浴を介助する場合、体を洗って風呂から上がった後下着や服を着るまでの介助は女性スタッフが行い、そこから髪を乾かしたり水分補給や部屋までの付き添い介助は男性スタッフが行うという老人ホームもあります。
介助する部分を細部まで分担することで、入浴やトイレも男女それぞれのスタッフが関わるため利用者も安心でしょう。
また、老人ホーム内でのレクリエーションでも、文化系の催しは女性スタッフが、運動係の催しは男性スタッフが中心になって行うなど、男女スタッフの特性を活かしているホームもあります。
近年では、スタッフ同士の情報交換や勉強会を開く老人ホームもあるため、同性介護を踏まえながら入居者の意見を第一に考える施設が増えてきているのです。
介護には繊細な作業や、腕力を要する作業など様々なものがあります。
特に力仕事は、女性よりも男性が行った方がケガや事故などにつながることを防げます。
しかし、介護の場面によっては同性のスタッフに介護してもらいたいという本人や家族の意見もあるでしょう。
前述にもあるように、近年では男女で仕事を上手く分担している老人ホームも存在するので、これから入居を考えている方は、老人ホームの中で実際にどのような介助が行われているのかを見学してみると良いでしょう。