リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、シニア世代が利用できる、自宅を担保にして銀行などからお金を借りることができる仕組みです。自宅を所有しているものの、現金収入などが少ないシニア世代に向けて創られました。
一般的に、銀行などからお金を借りると、月々決まった額を返済していかなければなりません。しかし、リバースモーゲージは、自宅を担保にいれ、その評価額内で融資を受けます。そして、契約期間の終了時、一括で返済をおこなうため、月々の返済の必要がありません。 また、自宅を売却するのとは違い、自宅に住み続けることができます。
リバースモーゲージは、老人ホームや介護施設に入居する際の入居一時金や、住宅ローンの返済、老後の生活に向けた自宅のリフォーム、旅行資資金など、様々な活用方法があります。
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージの利用のイメージの流れは以下のとおりとなっています。
- ① 自宅を担保に入れます
- ② 借り入れ可能額(=自宅の評価額以下)の範囲内で、銀行から融資を受けます
- ③ 契約期間終了時、銀行に一括返済します(自宅の売却)
- ④ 銀行への返済を済ませて残った金額は、遺族に返還されます。
※銀行によっては、利息分については毎月支払う必要があります。
リバースモーゲージは、銀行によって融資条件が異なる複雑なサービスですので、ご利用の際には銀行の担当者からしっかりと説明を受け、制度についてご理解頂いたうえで利用するようにしてください。以下では、いくつかの銀行の提供するリバースモーゲージの概要を紹介します。対象となる物件については、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)を対象とする銀行が多く、評価額についても、数百万円から数千万の価値があることが条件となります。資金の使途は、自由に使えるところから、生活資金借り入れ限度額は、おおむね50%~80%となっています。
リバースモーゲージの注意点
リバースモーゲージのメリットは、先に述べたとおり主に以下の3点にまとめられます。
- ① 自宅を売却せずに、住み続けながら融資を受けられる
- ② 生活資金以外にも、住宅ローンやレジャーなどにも利用できる(※条件あり)
- ③ 利用時の収入要件などについては、比較的緩やかである
一方で、リバースモーゲージのデメリットは以下の方法がオススメです
- ① 長生きによるリスク
- ② 金利の上昇や、不動産評価額の下落
- ③ 法定相続人(こども)とのトラブル
- ④ 住宅の立地や不動産評価額、資金使途に一定の制限がある
①長生きによるリスクとは、契約時の想定よりも長生きをしたことにより、契約期間の満了より前に(死亡する前に)、融資限度額に達してしまうことです。こうなると、銀行から一括返済を求められ、自宅を失うことになります。
②リバースモーゲージは変動金利で、かつ、1~2年ごとに不動産評価額、融資限度額の見直しを行います。金利の上昇や評価額の下落によって、すでに融資を受けた額が、融資限度額を超えてしまう可能性があります。こうなると、一括返済を迫られるだけでなく、限度額を超えた分は、法定相続人に返済義務が生じるので、子どもに借金を負わせてしまうことになります。
③リバースモーゲージには上記のようなリスクがあるため、法定相続人(子ども)の事前承諾が必要になります。相続問題につながらないよう、しっかりと話し合っておくことが必要です。
④リバースモーゲージでは、価値が高い都心部のマンションや戸建てを対象としており、かつ、一定評価額以上の住宅でないと融資の対象となりません。また、銀行によっては、生活資金(老人ホームや介護施設への入居、バリアフリー化のためのリフォームなど)にしか使えない場合があります。