老人ホームで介護をしてもらえるというのは、
利用者にとってもその家族にとっても信頼が置けて安心できるという方も多いかと思います。
しかし、そんな老人ホームにおいても事故が発生するケースがないわけではありません。
老人ホームではどのような事故が起きてしまう可能性があるのか、またどれくらいの事故件数が起きているのか、ご紹介していきます。
老人ホームでの死亡事故件数
読売新聞の調査によると、全国の有料老人ホームで自治体に報告された死亡事故件数は、
2016年度で944人に上ることが明らかとなっています。
この死亡事故報告は、自治体から国に向けて死亡事故報告が行われるのですが、実際には約1割程度しか国に報告されていません。
厚労省は老人ホームで起きた事故を把握するために対策を講じる考えを示しており、再発防止に関する対策が今後実施されていくことが考えられます。
どんな事故が多い?
上記の調査によると、最も多い死亡事故は誤飲・誤嚥であり、次に転倒・転落、溺死、薬の誤使用と続きます。
【誤飲・誤嚥】
老人ホームに入居されている方が誰でも起こり得るだけではなく最悪の場合死につながってしまう恐ろしい事故でもあります。
例えばお餅やタコ、海苔、パンなどは誤嚥しやすい食べ物であり、通常であれば調理方法に配慮して誤嚥しにくい形にしてから提供されるのですが、
それが行われていない場合には誤嚥事故が発生してしまう可能性が高いです。
またきちんと食べやすい形になっていても老人ホームのスタッフが一人で何人もの食事介助を担う必要がある場合、一人にかかる時間が少なく、放置させてしまう可能性もあります。
そうなってしまうと誤嚥などが引き起こしやすくなります。
【転倒・転落】
例えば車椅子のブレーキがきちんと掛かっておらず車椅子から立ち上がろうとした時に転倒してしまうケースや、
立ち上がり介助をしている時に足元がよろけてしまい倒れそうになってしまったり、排泄介助を行なっている時に便座から落ちそうになってしまったりと、様々な部分で転倒・転落のリスクが見られます。
このようなリスクを避けるためにも老人ホームスタッフによるきちんとしたサポートが必要です。
老人ホームでのこのような事故が心配だという方も多いでしょう。
老人ホーム側でもこうした事故が発生しないように注意しつつ介護を行なっていますが、
場合によっては起きてしまうこともあります。
事故に関して心配な方はトラブルに関する保証や対応などはどうなっているのか、老人ホーム選びの際にチェックするようにしましょう。