人口減少と少子高齢化が進み、都市発展の先細りが懸念される沼津市ですが、海と山の恵みや豊かな自然に囲まれた立地を活かした効果的な施策を打ち出し、動き始めています。
今回は沼津市の産業の動向と取り組みを見ていきます。
沼津市の産業の動向
沼津市は立地が恵まれていることもあり、農業や水産業などの第一次産業、製造業などの第二次産業、商業やサービス業などの第三次産業と、特定の産業に偏らず幅広く展開しており、ほかの都市と比べるとバランスが良いことが分かります。
バランスの良い沼津市の産業分布ですが、人口の減少や2008年に起きたリーマンショック、2011年に発生した東日本大震災などの影響により産業全体の就業者数や生産額は減りつつあり、また、第一次産業と第二次産業の割合が年々低下し、商業やサービス業といった第三次産業が伸びています。
沼津市の第一次産業の動向
沼津市は好条件の立地を活かし、みかんやお茶栽培などの農業、真鯛やアジなどの養殖・干物等の水産加工などの水産業が昔から盛んでしたが、作業従事者の高齢化や後継者不足により年々減産傾向にあります。
沼津市の第二次産業の動向
沼津市は戦後間もない頃より工作機械や電気機械メーカーの工場が進出したため地域全体の技術力が高く、長年沼津市の産業の中核を担ってきました。
近年は大企業と連携し安定した工業集積が図られていましたが、2008年に起きたリーマンショックの影響で製造品の出荷額が一時減少しました。
現在は回復傾向にありますが、事業所数自体は年々減り続けているので大きな躍進の期待は薄いと言えるでしょう。
沼津市の第三次産業の動向
伊豆、箱根、富士といった国際的にも魅力的な観光資源に隣接する沼津市は、首都圏からのアクセスが良いこともあり、これらの観光地への玄関口のひとつになるべく観光の振興に注力してきました。
しかし、リーマンショックや東日本大震災の影響は避けられず一時的に落ち込みましたが、沼津市での宿泊者数は概ね高推移していると言えます。
しかし、観光レクリエーション客数は周辺都市に比べ減少率が大きく、原因の追究と対策が必要と考えられます。
沼津市の産業の現状と課題
人口減少と少子高齢化により、これまでバランスの良かった沼津市の産業分布が変わりつつあります。
産業全体の就業者数や生産額の減少に歯止めをかけるには沼津市が持つ強みや特性を活かしながら、既成概念にとらわれない新しい産業の創出が求められています。
今回は沼津市の産業の動向と取り組みを見ていきました。
産業分布のバランスの良い都市がどのような産業の創出を図るのか注目です。