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「歩くのが楽になる杖の選び方って?」「そろそろ杖が欲しいけど、どういうのがいいのかわからない」
このような悩みをお持ちの方は、多いのではないでしょうか。杖選びはとても重要ですが、選び方がわからない方も多いです。
本記事では、高齢者向けに杖の選び方や安全な使い方について説明しています。そろそろ杖を買おうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
高齢者になると体の衰えなどにより、歩行が困難になることがあります。そのようなときに活躍するのが杖です。杖は、歩行のリハビリや外出時の歩行をスムーズにするために使用します。
杖の目的や役割、使うメリットを詳しく見ていきましょう。
杖を使用する目的は、歩行の補助や足腰の負担を減らすことです。人の体は歳をとるにつれて、身体能力が低下していきます。とくに足腰の筋肉が低下しやすいため、高齢者になると1人で歩くことが困難になる可能性が高いです。
また、足腰の筋肉が低下した状態で歩くと、足腰に大きな負担がかかります。
そのような時に杖があれば、足腰にかかる体重を分散できたり、痛みのある部位に体重がかからないようにうまくバランスを取れます。
杖を使うことで、歩行能力が向上したり転倒リスクを軽減できたりするだけでなく、自立心も維持できます。
先述の通り、杖を使えば足腰の痛みを感じにくくなり歩行しやすいです。
また杖があることで障害物にも事前に気づけるため、転倒や事故防止にもなります。
足腰の痛みや転倒・事故を恐れて1人で歩くことができなかった方も、杖を使用すれば「自分で歩ける」という自信がつき、自立心を維持できるでしょう。
杖は目的にあわせて、以下のようにさまざまな種類があります。
自分に合った杖を使うことで、より安定した歩行ができるでしょう。
T字杖は、ストレートな杖に握り手がついている、最もスタンダードな杖です。よく見る形の杖で、使用している方も多いです。シンプルな形なので、誰でも使いやすく、デザインも豊富にあります。持ち手の形状で「T字型」や「L字型」、「オフセット型」などに分かれます。
また、折りたたみ式のものや伸縮性のあるタイプも用意されており、持ち運びに便利です。形がシンプルで軽量なものが多いため、高齢者でも使いやすいでしょう。
ただし、T字杖は、あくまでも歩行のサポートをするために作られており、体重の約6分の1ほどしか補助できません。そのため、基本的には杖がなくても無理せず歩ける方に向いている杖です。
ロフストランド杖は、上部に前腕を通す輪っか(カフ)があり、下部に握り手(グリップ)がある杖です。
カフとグリップの2箇所で体重を補助するため、高い安定力があります。
カフにはU字型とO字型の2種類があります。U字型は前腕をかけやすく、O字型はしっかりと固定しやすいです。
カフがあることで、握力が弱っている方や体に麻痺がある方でも杖を扱いやすいでしょう。T字杖が上手に使えない方は、ロフストランド杖の購入をおすすめします。
松葉杖は、脇当てと握り手(グリップ)がついているタイプの杖です。骨折をしたときに使うイメージをお持ちの方が多いでしょう。
松葉杖を使えば、体の左右バランスを取りやすくなります。1本でも使用できますが、2本で使った方が、安定して体重を分散できます。
ただし、脇は多くの神経が通っているため、脇で体重を支えるのではなく、あくまで脇の間に挟むようにして使ってください。
松葉杖の素材は木製のものから、軽量なアルミ製のものなどがあります。伸縮性のあるタイプもあり、使いやすさや自分に合ったものを見つけやすいでしょう。
リハビリのときだけではなく、長期間使いたい方におすすめです。松葉杖は購入もできますが、レンタルも可能。松葉杖のレンタル費用相場は、1日50円〜250円ほどです。
松葉杖は、骨折をしている方や下半身に麻痺がある方など、下半身をサポートしたい方に向いています。
多脚杖は多点杖とも呼ばれ、名前の通り杖先が3点〜4点ある杖です。杖先が3点あるものを「3点杖」、4点あるものを「4点杖」と言います。支える支柱が多いため、安定感があることが特徴です。
多脚杖は平らな場所で使用するには問題ありませんが、段差が多い屋外では不安定になりやすく、転倒や事故に繋がる可能性が高いです。
そのため、以下のようなニーズをお持ちの方におすすめの杖だといえます。
杖は正しく使用しないと、転倒や事故に繋がりかねません。また上手に力が入らないと、杖の役割を果たしにくいです。
杖を使った正しい歩行方法や姿勢、注意点を確認しましょう。
T字杖の場合は、まずT字杖を歩幅と同じ距離に置きます。次に杖を持っていない方の足を前に出し、杖を持っている方の足を前に出して歩行しましょう。
階段を上り下りする場合は、T字杖を1段先に出して歩行します。
T字杖を1段上に置き、杖を持っている方の足を1段あげましょう。杖と反対の足でバランスをとるため、杖を持っている方の足を上げます。
そして杖を持っていない方の足を杖を置いた段にあげます。この際、手すりも持っていると安全です。
T字杖で階段を下りる場合は、出す足が上りとは反対になりますが、バランスのとり方は同じです。
杖を1段下に置き、杖を持っていない方の足を下ろします。反対の足を下ろすことで、杖と足でバランスをとれます。次に、杖を持っている方の足を下ろします。
階段を下りる場合は前かがみになり重心が前に移りやすいので、転倒には十分気をつけましょう。
段差などの不安定な地面での使用は、注意が必要です。段差があったり、地面が濡れていたりすると転倒してしまう可能性があります。
高齢者になると、足元の段差や障害物に気づきにくくなります。杖を使うことで歩行はしやすくなりますが、段差に正しく乗れず踏み外したり、傾斜によっては体重が正しく乗らずに転倒する可能性が高いです。
高齢になると、転倒したときに受け身が取りづらくなり、転倒や事故などで大怪我をする恐れがあります。そのため、杖の特徴を知り、正しい用途と場所で使用することが大切です。
杖は自分の体に合ったものを使う必要があります。
また、杖は消耗品であることも理解しておくことが大切です。
杖を握っている手に痛みがないかや、杖先端のゴムが摩耗していないかなど気にかけて使用しましょう。
杖に体重をかけて使用するため、握っている手が痛いものは体に合っていると言えません。握っている手が痛いと感じたときは、グリップにクッションがついているものや、カバーをつけて改善させましょう。
杖は長年使っているとゴムの部分がすり減ってきます。杖についているゴムは滑り止めの効果があるため、安全に使うためには定期的な点検が重要です。
ゴム部分は交換ができるため、すり減っている場合は交換したり、新しい杖を購入したりしましょう。
杖を使わないときに、テーブルや壁に立てかけることもあるでしょう。その際、うまく立てかけられていないと、杖が倒れてしまう可能性があります。
倒れた杖を拾おうとした際にバランスを崩し転倒するケースもあるため、杖を立てかけやすくするグッズを使用するなど、安全に使用できる環境を整えておくことが大切です。
高齢者が歩行の補助として杖を使う場合、杖の選び方が重要です。自分の体に合っていない杖を使うと、かえって体に負担がかかる場合があります。
本章では、適した杖の選び方について説明しています。杖の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
杖の種類によって、目的が異なります。T字杖は、杖がなくても歩けるが、より安心して歩行するために使用します。疲れたときや階段・坂道の上り下りなどのサポートとして使用可能です。
ロフストランド杖は、握力や腕力が弱い方におすすめです。握力や腕力がなくても使用でき、高い安定感があります。
松葉杖は、骨折したときにも使えますが、下半身の負担を軽減をしたいときに使用するとよいでしょう。
多脚杖は、主に室内で杖に頼って体重をかけたい時に使用します。
杖を選ぶときは、適切な長さと形状を選ぶことが大切です。適切な長さと形状を選ばないと、転倒や事故に繋がります。
本章では、自分に合った杖の選び方を説明します。
杖を選ぶ際には、自身の身長に合った長さを選ぶことが重要です。杖が長すぎたり短すぎたりすると、体に合わず、杖の本来の役割を果たせません。
また、合わない杖を使用すると、転倒の危険性が高まったり、体への負担が増えて痛みを引き起こす可能性があります。
身長と杖の長さなど一般的な目安が存在しますが、個人によって腕や足の長さが異なるため、実際に杖を使って歩いてみて、自分に合うと感じるものを選ぶことが大切です。
杖を選ぶ時には、グリップの握りやすさも重要な要素です。実際に杖を握って使用する時間が長くなると、握りにくいグリップでは手が疲れたり痛くなってしまうこともあります。
手の大きさや握力、手の形とグリップの形状がマッチしないことが原因かもしれません。
また、握りにくいグリップを使用すると、手が滑ってしまう危険性もあるため、注意が必要です。
もしグリップが合わないと感じた場合は、単独でグリップを交換することも可能です。
杖を選ぶ際には、長さや重さに目が行きがちですが、グリップの握りやすさも重要なポイントであるということも忘れてはなりません。
杖を選ぶ時には、耐久性と使い勝手のバランスを考慮しましょう。
たとえば、軽さだけを追求すると、耐久性が欠ける可能性があります。長時間使用している間に壊れてしまうリスクも考慮しなければなりません。
一方で、頑丈な杖を選ぶと重くて扱いにくくなる場合もあります。
また、杖の支柱が太いほど頑丈と言えますが、それに伴って使い勝手が悪くなり、疲れやすいというデメリットもあります。
杖を選ぶ際には、実際に杖を使って歩いてみたり、持ち運んでみて、自分にとって使いやすいものを選ぶことが重要です。
杖の使い方がわからないときは、自己判断するのではなく、専門家に相談をしましょう。体や環境に合った杖を選ぶためには、介護従事者や福祉用具販売・レンタル会社などの専門家に相談することが大切です。
自己判断で杖を購入・レンタルをすると、体の状態が悪化する可能性があります。専門家に相談して、自分に合った杖を購入・レンタルしましょう。
杖を福祉用具として使用することを認められた場合、介護保険が適用されます。
例えば、月々1,500円で杖をレンタルする場合、1割負担なら150円、3割負担なら300円でレンタルできます。
杖の使用を検討している場合は、介護保険が適用されるか確認しましょう。
杖の選び方についてご参考になったでしょうか。
多くの種類と形状がありますが、安全に歩行するためにも、いろいろな杖を使ってみて一番使いやすいものを選びましょう。
歩行のサポートや転倒リスクの軽減だけでなく、これから元気に生活していくためには自立心の維持が大切です。自分で歩けることで気持ちも元気になることがありますので、杖も活用してみてはいかがでしょうか。
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