「物忘れが多くなってきたが、難しい本の内容を理解ができる」
「昨日できていたことが、翌朝ではできず、夜にはまたできるようになっている」
上記のような症状に悩んでいたり、似たような症状を持つ家族がいると思い当たったりすることはありませんか。
できたり、できなかったりといった波のある症状は「まだら認知症」の可能性があります。
通常の認知症と症状が異なるため、周囲の人から見過ごされやすい病気です。
本記事では、まだら認知症について詳しく解説します。
まだら認知症には、物忘れが多くなるものの判断力や理解力はあったり、日や時間によって症状が現れなかったりするなどの症状があります。
脳血管性認知症の一つで、脳梗塞や脳出血などによって脳に障害を残すことが原因です。
脳の血管にはそれぞれ異なる機能があり、障害が起きた血管の部位によって、症状の振り幅が大きくなります。
まだら認知症は、朝にできなかったことが夕方には、できるようになるといった状態になることが多く「軽い物忘れ」と見られがちです。
またアルツハイマー型認知症とは違い、日常生活に大きな支障がない場合が多く軽視されやすいため、気づかれないまま進行する恐れがあります。
まだら認知症の症状には、大きく分けて6つの特徴があります。
血管の悪くなっている部分により、症状や度合いが変わっていきます。
正常な血管の機能は変わらないため「物忘れが多くなってきたが、難しい本の内容を理解できる」といった症状なら、低下機能の記憶力と残存機能の理解力に大きく偏りが見られるでしょう。
脳の血管に障害が出るため、関連して症状が併発しやすいです。
歩行障害や言語障害・排尿障害などの症状が、まだら認知症の発症初期からよく見られます。
一日ごとや朝夕で症状や度合いが変化します。
例えば、朝はいつも通り一人で着替えができていたのに、夕方にはできなくなっているといった具合です。
正常な血管が保たれていることで、できることに差が生まれるため、本人が症状を自覚しやすいです。
本人の思い通りに行かないことが多くなり、じれったさや苛立ちで辛さを感じています。
症状を自覚できてしまうことで「自分が病気である」と、マイナスな感情を起こしやすくなります。
喜怒哀楽の感情表現が過度になったり希薄になったりなど、感情のコントロールができなくなり、抗うつ状態に陥るなどの危険性があり注意が必要です。
アルツハイマー型認知症のように脳機能全体が少しずつ緩やかに低下していくのに対し、脳血管性認知症は、症状の緩和と再発を繰り返して階段状に進行していくのが特徴です。
脳血管性認知症は、脳血管障害の原因となった病気から治療します。
しかし、脳血管障害で死滅してしまった細胞が治ることはないため、症状が安定してもまた別の症状が増えてしまうのが現状です。
脳血管障害の原因の治療後に起こりえる、まだら認知症の初期症状は主に3つあります。
脳血管障害が再発してしまえば、症状が悪化してしまうため、再発防止には生活習慣の見直しが必要です。
まだら認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳卒中が主な原因です。
加齢もひとつの要因ですが、以下のこともまだら認知症が発症する要因となります。
まだら認知症の原因を踏まえて、どのようにまだらな症状につながるかを解説します。
まだら認知症の特徴は、脳卒中による脳血管の障害が起きた部位によって、症状の偏りが発生することです。
損傷した血管によって症状が変わるため「記憶能力に損傷を受けたが、言葉の理解や計算能力は損なわれていない」といった、まだら認知症の特徴が現れます。
寒暖差などから脳の血流が変わるため、一日の中でも症状が発生しやすい時間があります。
睡眠中の血圧が低い状態から起床すると体温が上昇するなど、入浴後や水分不足で血流の変化が原因で、認知症の症状が出やすくなるため注意が必要です。
まだら認知症は、運動障害や言語障害などをともなうことが多いため、機能回復のためのリハビリが大切です。
医療機関やデイサービスなどに通い、専門家にリハビリ指導してもらうこともできますし、自宅で行う「訪問リハビリテーション」もあります。
運動障害の場合には、関節の可動範囲を少しずつ広げるような運動や、歩行訓練を行うほか、トイレや着替えなどの日常生活に必要な動作の練習を行うこともあります。
言語障害の場合には、言語聴覚士が原因や症状に合わせ適切な方法でリハビリを行います。
リハビリをすることにより、元通りにはならなくても、残された機能を最大限に活かすことで日常の不便を減らし、できるかぎり自立した生活を送れるようにしていきます。
リハビリを行うことで脳にも刺激が加わり、認知症の進行を抑える効果も期待できるので、より早い段階からリハビリを受けるとおすすめします。
しかし、すぐにリハビリを行えばいいというものではなく、まだら認知症には波があるので、なるべく弱くなっているときに行うことが大切です。
普段からまだら認知症の症状をしっかり観察し、きっかけや現れ方の法則などを詳細に記録しておきましょう。
もし、リハビリ中に症状が悪化したり、いつもと症状が違うなどの場合は、無理にリハビリを行わないでください。
このような状態のときに無理にリハビリを行うと、思いがけないトラブルを引き起こすることがあります。
認知症の症状が強く出ているときは、安全で静かな環境を用意し、ゆっくり過ごしてもらいましょう。
周囲の方が症状の変化をよく観察し、詳細な記録を残すことで多くの気づきを見つけられるので、安全で無理のないリハビリに一歩近づきます。
まだら認知症は脳に大きな梗塞や出血から発症することもありますが、小さな梗塞を繰り返すことで発症するケースもあるようです。
小さな脳梗塞の場合は症状が現れにくいため、まだら認知症を発症された方の中には自分が脳梗塞を抱えていることを認識していない人も少なくないそうです。
自分や家族にまだら認知症の症状が少しでもみられる時は、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
まだら認知症が進むと、自宅での生活が困難になるケースもあります。そんなときは、介護施設への入居も検討しましょう。
グループホームや介護付き有料老人ホームなどは認知症の受け入れが可能な施設もあります。
まだら認知症の進行度や介護度にあわせて施設を選択します。
まだら認知症の場合は、本人の意志はしっかりしています。介護施設への入居については本人としっかり話し合い、感情も考慮して進めるようにしましょう。
できたり、できなかったりといった波のある症状が出る「まだら認知症」についてご紹介しました。
日や時間によって症状が現れなかったりすると見過ごされやすいですが、まだら認知症の症状を知っておくことで早期のリハビリに繋ぐことができ、進行を遅らせることができるかもしれません。
まだら認知症のリハビリはデイサービスなどの施設に通って受けるものや、自宅で行う「訪問リハビリテーション」もあります。
症状の進行により自宅で生活することが困難になった時には認知症の受け入れが可能な介護施設への入居を検討しましょう。
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