目次
ご両親に記憶障害のような症状が現れ、認知症かと思い診断してもらったが症状が当てはまらず「統合失調症」だった、という方もいらっしゃるでしょう。
統合失調症は、誰にでも発症する可能性がありますが、正確な症状や対処法を知る方は多くありません。
本記事では、「老人の統合失調症」について解説します。
統合失調症は、脳の機能障害によって引き起こされる精神疾患です。
心が乱れ、考えがまとまらなくなり、気分によって行動が左右されるため人間関係などに影響を及ぼします。
おおよそ100人に1人は発症するといわれ、特別珍しい病気ではありません。
薬や精神的なリハビリテーションによって、症状を軽くできるため、早期発見と早期治療が重要です。
統合失調症の早期発見には、周囲のサポートは必須です。
症状の改善までに長い期間がかかるため、サポートする人々の正しい知識と理解が必要になるでしょう。
統合失調症は大きく分けて3種類の症状があるため、それぞれ解説します。
陽性とは、通常なら無いはずのものが現れるという意味です。
陽性症状は大きく分けて3種類あります。
他に「自我障害」という自分と他人の境界がわからなくなり、操られている感覚に陥ってしまうなどの症状が見られることもあります。
陰性は、あるはずのものが無いという意味です。
陰性症状には、以下の症状が見られます。
認知機能障害とは、思考が持続しない状態を指します。
具体的な症状は以下の通りです。
統合失調症は放置していると、回復することなく悪化してしまうことも少なくはありません。
悪化した場合に現れる、3つの症状を解説します。
統合失調症を放置して現れる症状の一つは、陽性症状の悪化です。
メディア上の出来事が自分の話だと思い込むなど、強い被害妄想によって現実と妄想の区別がつかなくなってしまいます。
幻聴や妄想によって攻撃されていると感じてしまうと、暴力や自傷行為などの問題行動につながりかねません。
病識を失うとは、自分が病気であることを忘れてしまうことです。
病気である自覚ができなくなることで、継続的な治療を続けられなくなってしまいます。
また、病気に対しての理解がなくなると、周囲の人と意識の差が生まれてしまい、コミュニケーションが難しくなることも少なくありません。
治療を拒否し病状が悪化すると、最悪の場合は強制的に入院させることにもなります。
症状によるストレスだけでなく、コミュニケーションが取れないなどの外的要因からも強いストレスを受けるため、摂食障害を引き起こす場合があります。
摂食障害の主な症状は、過食と拒食です。
摂食障害が併発してしまうと、身体的な病気にも繋がってしまうため、精神科への受診が必要となります。
統合失調症になる明確な原因は、今のところわかっていません。
仮説として挙げられている主な発症原因は、ストレスです。
強いストレスによって、脳の情報を伝達する神経伝達物質のバランスが崩れるため、脳の機能障害に影響が出ると考えられています。
また、統合失調症を発症する方は、内気だったり控えめで人付き合いが苦手、傷つきやすいなどの性格の方が多いです。
遺伝子や出生前の状態などのさまざまな要因も合わせて、ストレス因の他に環境因も関与していると言われています。
統合失調症は完治できる病気です。
早期発見と早期治療ができれば、症状が重くならないまま完治できるでしょう。
統合失調症の完治のために、どのような治療が行われているかを解説します。
統合失調症の治療は、主に薬物療法が中心です。
症状の改善と再発防止になる「抗精神病薬」を中心に、睡眠薬や抗不安薬などの生活リズムや感情を整えるような薬が処方されます。
また、抗精神病薬に副作用が現れる場合もあるため、医師に相談したうえで、副作用を抑える薬を処方してもらうことが可能です。
処方された薬で症状が軽減すると、独断で服薬を中断してしまう方が、少なからずいらっしゃるでしょう。
薬をやめてしまい、症状を再発させることを何度も繰り返すと、症状が悪化し完治が難しくなります。
薬をやめる・減らすかは主治医としっかり相談してください。
薬物療法のほかに統合失調症の治療に用いられるものは、運動療法や作業療法などの生活療法です。
有酸素運動や料理・パソコン作業などを通じて、体や脳の働きを良くしたり達成感や楽しみを再体験させることで、社会生活の練習や意欲向上を図ります。
統合失調症を患った方にとって、家族は大切な存在です。
家族によるサポートが必要不可欠です。
しかし接し方を間違えると、ストレスの原因になります。
薬の飲み忘れや飲みすぎに、注意してください。
薬の効果・副作用を理解し、正しく服薬することが治療には重要です。
強制的な言い方は被害妄想を起こすこともあるため、優しく促すようにしましょう。
統合失調症の自覚がある場合とない場合で、治療への積極性は変わります。
積極的に治療と向き合えば、症状の回復は通常よりも早いです。
本人に寄り添って、前向きに治療に参加できるよう支えましょう。
症状が長引くと「周囲に迷惑をかけているのではないか」と焦り、悪化してしまうケースもあります。
周囲の人が理解を示し、本人の症状に合わせながら焦らせないよう、ゆっくり治療を進めることが大事です。
病気のことをわかっている気になり、本人の意思を聞かず勝手に治療の方向性を決めてしまうことは、かえって不安な気持ちを煽り、信用を失うこととなります。
しっかり最後まで本人の話を聞き、理解を示すことが大切です。
治療を進めるうえで、主治医とのコミュニケーションは欠かせません。
主治医は診療時だけしか患者の様子がわからないため、家族がしっかりと普段の様子などを伝えることが重要です。
主治医と相談などが気軽にできる関係を築くことで、家族も症状への理解が深まり、より良い治療を受けることができます。
統合失調症は誰にでも発症する可能性のある病気です。記憶障害など認知症と似た症状が出ることもあります。
統合失調症の原因は明確に分かっていませんが、早期発見と早期治療で治すことのできる病気であり、症状の改善には家族や周囲の人の正しい知識と理解でサポートすることが完治への近道となります。治療する本人と主治医、家族のコミュニケーションも欠かせません。
しずなび介護なびでは統合失調症の方を受け入れ可能なグループホーム、老人ホームなどの施設をご紹介することができます。
まずはお気軽にご相談ください。
統合失調症の方を受け入れ可能な静岡県の施設一覧
しずなび介護なび しずなび株式会社
静岡県密着!創業30年。地域一番の情報量 静岡県の老人ホーム・介護施設なら、どんな老人ホーム・介護施設でもご紹介可能です。老人ホーム・介護施設内の雰囲気や空室情報にいたるまでどんなことでもご相談下さい。
お問い合わせ先 0120-651-816