「施設に入居できたのに、夕方になると落ち着かなくなり
『これ以上は預かれない』と退去を求められた……」
「幻視や物忘れがあり、他の入居者様とトラブルになってしまわないか不安」
「一度施設を出ることになったけれど、受け入れてくれる場所は本当にあるの?」
認知症の親御様の施設探しにおいて、最もご家族様がショックを受け、
絶望感に苛まれるのが「入居後の不適応による退去勧告(施設退去)」です。
認知症の方の中には、夕方から夜間にかけて不安や混乱、興奮が高まる「夕暮れ症候群」や、
実際にはないものが見える「幻視」といった症状が現れる方が多くいらっしゃいます。
これらは施設の環境やスタッフの対応力、医療連携の度合いによって症状の出方が大きく左右されるため、環境が合わないと症状が悪化し、退去を迫られてしまうケースがあります。
今回は、一人暮らしの限界・救急搬送からグループホームへ入居したものの、夕方の急な不穏症状により退去を余儀なくされ、2か所目のグループホームで穏やかな笑顔を取り戻された82歳女性(お母様)とご長女様ご夫妻の事例をご紹介します。
施設退去という壁をどう乗り越えたのか、医療連携と役割づくりを活かした施設選びのポイントを詳しく解説します。
目次
1. ご入居者様の基本情報とご相談の経緯
まずは、今回ご相談いただいたお母様とご家族様の基本情報です。
| 項目 | 内容 |
| ご本人様 | 82歳・女性(静岡市葵区在住・元一人暮らし) |
| 要介護度 | 要介護1(認知症による物忘れ・幻視・強い不安感あり) |
| キーパーソン | 静岡市駿河区にお住まいのご長女様ご夫妻 |
| 相談のきっかけ | しずなび介護なびへの直接お問い合わせ |
| ご相談の背景 | 一人暮らしの中で寂しさや不安、幻視の症状が現れ始め施設探しを開始。一度は「もう少し自宅で頑張る」と保留になったが、5ヶ月後に路上で貧血により倒れて救急搬送。急ぎ1か所目のグループホームへ入居するも、夕方の激しい不穏症状により他入居者とのトラブルが発生し、退去勧告を受けるという緊急事態に直面。 |
| ご希望条件 |
① 認知症の周辺症状(幻視・夕方の不穏)に理解があり、個別ケアを行ってくれる施設 ② かかりつけ医と連携して服薬・医療調整ができる静岡市葵区内の立地 ③ 長女様ご夫妻が面会や受診同行に通いやすい住環境 |
| ご提案・決定施設 | グループホーム(認知症対応型共同生活介護/静岡市葵区) |
一人暮らしの限界から救急搬送、そして1か所目での退去勧告
お母様は静岡市葵区のご自宅で一人暮らしをされていましたが、夏場を迎えて寂しさや不安、幻視の訴えが増えたため、長女様ご夫妻が施設探しを開始されました。
当初は「まだ自宅で頑張りたい」というご本人の意思を尊重して様子を見ていましたが、それから5ヶ月後、貧血で道に座り込んでいるところを発見され救急搬送。
一人暮らしの継続が不可能となり、急ぎで見学していたグループホームへご入居されました。
しかし、入居後に環境の変化への戸惑いから夕方になると態度が急変し、激しい興奮状態に。
その様子に他の入居者様が恐怖を感じてしまい、施設側から「これ以上の受け入れは困難」と退去を求められてしまいました。一時的にショートステイへ避難し、ご家族様が困り果てた状態で再びご相談をいただきました。
2. 「静岡市葵区の2か所目のグループホーム」をご提案した3つの理由
退去を告げられ「もう母を受け入れてくれる施設はないのではないか」と不安を募らせるご家族様に対し、相談員は近隣の医療体制やスタッフの関わり方に着目し、静岡市葵区にある別のグループホームをご提案いたしました。
選定の決め手となったポイントは以下の3点です。
| 項目 | 選定のポイント | ご本人・ご家族様へのメリット |
| ① 医療連携 | 近隣のかかりつけ医との連携 & 服薬調整 | 幻視や興奮を和らげるため、主治医と相談してお薬の種類や服用タイミングを適正化。 |
| ② 認知症ケア | 生活リハビリ(洗濯物畳み等)による「役割づくり」 | 家事仕事を通じて「人の役に立っている」自尊心と安心感を満たし、夕方の不穏を自然に防止。 |
| ③ 立地・面会動線 | 本人の土地勘がある葵区 & 長女様が通いやすい立地 | 住み慣れた葵区の環境で落ち着きやすく、駿河区在住の長女様ご夫妻も面会や受診同行へ行きやすい。 |
① 近隣のかかりつけ医と連携した「適切な服薬調整」
幻視や夕方の不穏(興奮)を落ち着かせるためには、環境調整だけでなく医療的なアプローチも不可欠です。ご提案したグループホームの近隣には、お母様の状態をよく知る協力医療機関があり、ご家族様と主治医が連携してお薬の調整(処方の見直し)を迅速に行える体制を整えました。
② 日中の「役割づくり」で夕方の不穏を未然に防ぐ
夕暮れ症候群は、日中の活動量が少なかったり、自分の居場所・役割が見出せなかったりするときに強く現れます。
2か所目の施設では、スタッフが日頃から明るく入居者様を巻き込み、
「お洗濯物を畳むのを手伝っていただけますか?」と自然に頼るなど、ご本人様に役割を持っていただくケアを実践。
人の役に立っているという実感が、お母様の心を大きく安定させました。
③ 土地勘のある葵区での生活継続
静岡市葵区はご本人様が長年暮らしてきた馴染みのエリアです。
施設周辺の景色や空気感に安心感を覚えやすく、駿河区にお住まいの長女様ご夫妻にとっても通院や面会に通いやすい立地でした。
3. 見学から再入居・安定した生活までのプロセス
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2か所目のグループホーム現地見学と医療相談
ショートステイ利用中に長女様ご夫妻と葵区のグループホームを見学。
スタッフの明るい雰囲気や行事・レクリエーションへの取り組みを確認し、主治医へのお薬相談を並行して進めていただきました。 -
ご本人面談と受け入れ態勢の共有
施設長・ケアマネジャー様とお母様が面談を実施。
「夕方になると不穏になりやすい」という過去の経緯を包み隠さず共有し、施設側も「スタッフ全員であの手この手を使って寄り添いましょう」と温かく受け入れを快諾してくださいました。 -
ご入居と生活の定着
無事にご入居となり、最初の数日は16時頃になると落ち着かない様子が見られたものの、スタッフがお茶を淹れて気分転換を図ったり、洗濯物畳みをお願いしたりすることで次第に不穏が消失。
後日、相談員が施設を訪問した際には、笑顔でお洗濯物を畳まれている穏やかな姿を見ることができました。
長女様からも「1か所目で退去と言われたときは本当に途方に暮れましたが、諦めずに母の性格や症状に合う施設を探していただき感謝しかありません。母の笑顔が戻り、心から安心しました」と安堵のお声をいただきました。
4.老人ホームで「退去」を迫られたときの緊急対処法
施設から退去を求められた場合、パニックにならず以下の手順で冷静に対処することが重要です。
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まずは「ショートステイ」を活用して一時的な居場所を確保する
退去期限までに次の施設が見つからない場合でも、焦って自宅へ連れ戻すと介護崩壊を招きます。
担当ケアマネジャーや相談員と連携し、一時的にショートステイを利用しながら次の住まいを探しましょう。 -
退去の根本原因(環境・医療・スタッフ体制)を分析する
「なぜその施設で不穏になったのか」を振り返ることが大切です。
大人数の環境が合わなかったのか、医療連携(お薬の調整)が不足していたのか、日中退屈していたのかを明確にし、次の施設選びの必須条件に反映させましょう。 -
認知症の症状は「隠さずオープンに共有」する
次の施設を探す際、退去になった経緯を隠してしまうと入居後に同じトラブルが再発します。
症状を正直に伝えた上で、「どうすれば落ち着いて過ごせるか」を一緒に考えてくれる受容力の高い施設を選びましょう。
5. 静岡市でのグループホーム探し・退去問題に関するよくある質問(FAQ)
Q. 認知症の症状(暴言・不穏・他者トラブル)で退去を求められた場合、次の施設は見つかりますか?
A. はい、見つかります。
施設によってスタッフのスキルや人員配置、医療機関との連携体制は大きく異なります。少人数で個別ケアに強いグループホームやかかりつけ医と密に連携できる施設を選び直すことで、落ち着いて暮らせるようになるケースは多数ございます。
Q. 「夕暮れ症候群」や「幻視」がある場合、どんな施設が向いていますか?
A. 1ユニット9人程度の小規模で家庭的な「グループホーム」が最も適しています。
日中に家事の手伝いなどの役割を持たせてくれたり、夕方に個別でお茶を飲んで気分転換を図ってくれたりする柔軟な施設を選ぶことが大切です。
Q. 葵区に住んでいますが、駿河区や清水区のグループホームも選べますか?
A. はい、選べます。
グループホームは静岡市の地域密着型サービスですので、静岡市内に住民票があれば、葵区・駿河区・清水区いずれの区にある施設でもご入居いただけます。
施設退去や認知症の症状でお困りの方は「しずなび介護なび」へご相談ください
「施設から退去を言い渡されてどうすればいいか分からない」
「認知症の症状が重く受け入れてくれる場所がない」というお悩みは、
決してご家族だけで抱え込む必要はありません。
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まずは無料相談窓口へお気軽にお問い合わせください。